キーワードB「竹立てかけてくれた人」 普通、竹林を整備するといっても人様の竹林に入り、勝手に整備することはできない。 では、「所有者の許可をどうして取るか?」 ここで、高知県春野町では、「春野町里山利用林」として、どんどん整備されているのが紹介されました。 春野町産業建設課の森下智弘さんの説明によると、次のようです。 春野町でこの制度がはじまったきっかけは6年前(平成10年)、高知県を襲った集中豪雨でした。 この時、斜面にある竹林で土砂崩れが相次ぎました。竹は浅く根を張るため、雨で緩んだ地盤を支え切れなかったのです。 防災の点からも、これ以上竹林を増やせないと動き出した町役場に壁が立ちはだかりました。 (一つの竹林を示す図面に斜線で示され)この面積でざっと見渡しても30人ほどの所有者があり、 その人達の許可を得るのは人的にも、予算的にも大変なことでした。 そこで、いろいろ調べていたところ、林野庁の補助事業に「里山利用林」(現「みどり世紀の森」)という制度があるのを見付け、 林野庁に尋ねたところ、竹林も立派な里山だからこの制度が適用できるという返事を得ました。 この制度は、里山を市民に開放するために作られた。自治体が地主の許可を得て、里山利用林に指定すると、 その後は一々許可を得なくても伐採などの整備が進められる。 そこで、町内35ヘクタールの竹林を里山利用林に指定することにしました。 この場合、竹林の利用者が個人や企業でなく、住民グループやNPOなら適用されるとのこと。 このようにして、高知県春野町では着々と竹林整備に取り組まれているそうです。これは、大変素晴らしいことです。 スタジオに竹繊維のタオルや竹のフローリングなどの新製品が持ち込まれ、竹は有効な資源であり、 大いに活用されるべきであるとの話が展開しました。 このように竹を資源として活用することを知った「お困りご近所」の皆さんは、最後に 「竹林を宝の山にし隊!」 で番組は終わりました。 まさにその通りであり、お困りご近所の皆さんのご奮闘を期待します。 私の結論として、この番組が「難問解決」を目指した構成としては、これで良かったのだろうと思うものの、 核心部分が非科学的な説明に終始した点に猛省を促したいと思います。 かつて、平成13年5月21日、NHK「クローズアップ現代」で竹林の拡大問題を取り上げられた折もいくつかの問題があり、 そのことを各方面に訴えてきたのですが、またしても今回、このように批判しなければならないことをとても残念に思います。 その5 その4 その3 その2 その1 TOP page |