竹林の拡大防止策

竹林の拡大を止めるのは大変! と言われていますが・・・ そんなことはありません! 簡単とは申しませんが、要領の問題です。
ここに、その例を模式図で示しましょう。

  

左の図は、地下茎が竹林から造林地へ伸び、すでに造林地内に新竹(赤○)が発生した例です。 地下茎は1年に5mも伸び、しかも2年生以上の地下茎からでないと新竹を生みませんから、 その先端は造林地に10m以上も伸びていると考えるべきです。
さらに、地下茎は毎年1本だけ出るのではなく、2本以上出ることがありますので、 その延長は大変な長さになります。

右の図は、左の図にある造林地に入った新竹(赤○)を切り取った場合を示します。
つまり、造林地内に出た新竹を切り取ると、地下茎の伸張は止まってしまいます。 それは、同化作用で養分を作り出す母竹(黄色○)からの距離が遠くなるため、 地下茎を伸ばす力が減退するからです。

要するに、造林地や入っては困るところに発生した竹を切り取ることで拡大が防げることになります。
その場合、重要なことは、タケノコの時に切り取ることです。タケノコが発生する期間はほんの2ヶ月以内です。 この間だけ見回り、タケノコを見付け次第、足で蹴っぱなすか、カマでちょんと切るだけで事が済みます。 私はこれを「タケノコの蹴っ飛ばし法」と称しています。


このような処置を毎年繰り返すと、そのうちにタケノコが発生しなくなります。 その良い例を庭園などで見ることができます。

左の写真は京都嵯峨・大覚寺のマダケ林で、林内には幅5mほどの立派な遊歩道がありますが、 その遊歩道には竹は生えていません。もちろん、竹林と遊歩道の間には何にも埋めてありません。
それは、もし遊歩道にタケノコが出てきたら、足でけっ飛ばしているからです。たったそれだけのことで 遊歩道には竹が出ないのです。
ちょっとした注意だけで、竹の拡大が防げる訳です。
ところで、皆さん、料亭などに植えてあるモウソウチクがはびこって、 ついに料亭が竹薮に埋もれ、営業できなくなったという話は聞いたことがないでしょう。
それは、タケノコが期待しない所に生えて来たなら、直ちにけっ飛ばしているからです。

要するに、期待しない所に出たタケノコを取る だけで、拡大が防げるのです。


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