マダケ 〔苦竹・真竹〕
  Phyllostachys bambusoides Sieb. et Zucc.




京都市嵯峨大覚寺
マダケはモウソウチク、ハチクとともにわが国における三大有用竹の一つに位置づけされている。

タケノコは5月末から6月にかけて発生し、成長した竹稈は直径12cm、高さ24mにもなる大型種である。 特に新竹の「緑」は素晴らしく、これこそまさに「竹の色」と言える。

材質はすべての面で優れており、建築、竹加工などに最適な竹材を持ち、 我が国の伝統的工芸品として指定されている扇子・団扇、弓、竹千筋細工をはじめ、 ちょうちん、編組籠、傘などの竹工芸に大きく寄与している。

近年、本種の細い竹、つまり小径竹は造園に欠かせないのであるが、これの生産が困難で、 需要を満たせない状況にあり、業界を悩ませている。
このため、輸入量が増大し、その結果国内生産に大きな影響を与えることとなり、早急な対策が求められているという問題もある。

竹の皮には黒い点々があるが、まったく毛がなく、なめらかだ。 このため、古来、この皮でお肉、おにぎりなどを包装するのに使われてきた。