竹稈は丸くて、中空があり、節がある



竹の形も面白い。ほぼ真ん丸で、しかも普通中空部がある。
さらに節があるのはなぜでしょう。
これを説明するには、かなり専門的になるざるをえないのですが、その理由を知ると、恐らく興味が沸くことでしょう。
下の図は、1本の竹稈をタテに割った時の形を示したものです。
外枠のように黒く塗りつぶした部分は竹稈の肉部、すなわち木質部です。
細かいヨコ線は節の位置を示したもので、現物の縮尺で書かれています。
  
図でお分かりのように、竹稈には大きな中空部があり、そしてほぼ決められた位置に節が存在し、全体の形はタケノコのように描くことができます。
そして、1本の竹稈は、根張り部分の「基稈部」、根張り部分から枝の出る部分までの「直稈部」、および枝のある部分の「冠稈部」に分けることができます。
そこで、竹稈のそれぞれの部分を力学的に解析してみると、竹稈の太さや木質部(肉部)の大きさはきちんと力学的に説明できる形で成り立っていることが分かりました。
つまり、竹類の形は、どの部分においても、それより上の応力に堪えうる理想的な構造で、節部は竹稈の円筒形の形を強化する役目を果たしている訳です。
竹の形をこのように考えてみると、竹という植物は何と合目的な構造からなっているものと感心させられます。

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