タケノコの驚異的な伸びぶり



  上田弘一郎博士の研究によると、伸び盛りのタケノコの1日24時間の伸長量は、マダケが121cm、モウソウチクが119cmと発表されています。
また、タケノコの成長はとても元気で、畳を持ち上げたとか、トタン屋根を破ったなどという話もあります。
では、タケノコはどうしてそんなに伸びるのでしょうか? そのナゾを考えましょう。
左の図は、上田弘一郎先生の調査結果を図化したもので、竹文化振興協会のオートスライドに使われている写真です。

図は、アメリカの植物学者マクルーア博士の著書にある図を使い各部分の説明を日本語に訳したものです。
この図で分かるように、タケノコの生長はトップにある「生長点」とそれぞれの節にある「生長帯」という両方の部分で起こります。

これを「ちょうちん」を引き上げる時に例えましょう。
ローソクに火をつけ、「ちょうちん」を引き上げるという行為は、「ちょうちん」の蛇腹の部分を引き伸ばすという行為です。
つまり、沢山ある蛇腹の一つ一つが伸びるから引き上がる訳です。

この関係をタケノコの生長に当てはめると、各節にある生長帯は蛇腹に相当し、それぞれの節にある生長帯で一斉に生長が起こると、 そのトータル量がタケノコの伸長量となります。
仮に、20個の節部でそれぞれ3cm伸びたとすると、トータルでは60cmの伸長量となります。
このように考えると理解しやすいでしょう。
なお、特殊な成長促進物質が作用しているのではないかという研究もありまりが、定かではありません。


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